■双子素数の漸近確率密度(その2)

ところで,双子素数(p,p+2)は,最初の双子素数(3,5)を除き(6n−1,6n+1)で,その間にある数はすべて6の倍数(6n)のように見えます.nは素数とは限りません.

(5,7)→6(n=1)

(11,13)→12(n=2)

(17,19)→18(n=3)

(29,31)→30(n=5)

(41,43)→42(n=7)

(59,61)→60(n=10)

(71,73)→72(n=12)

pが6n―1型素数であることを証明してみましょう.

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(証明)

p=1(mod3)のとき,p+2=0  (mod3)

p=2(mod3)のとき,p+2=1  (mod3)

→pは3n+2型素数でなければならない.

また,pは奇数(2n+1)型であるから,pは6n−1型素数であることがわかる.

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さらに,よりよい評価を与えてみます.

p=1(mod5)のとき,p+2=3  (mod5)

p=2(mod5)のとき,p+2=4  (mod5)

p=3(mod5)のとき,p+2=0  (mod5)

p=4(mod5)のとき,p+2=1  (mod5)

→pは5n+1型素数または5n+2型素数または5n+4型素数でなければならない.

[1](2n+1,3n+2,5n+1)の場合,連立合同式

  x=1  (mod2)

  x=2  (mod3)

  x=1  (mod5)

x=x1+2x2+6x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3=x1=1  (mod3)→x1=1がこの合同式の解である.

→x=1+2x2+6x3を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3=1+2x2=2  (mod3)→2x2=1  (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.

→x=5+6x3を3番目の式に代入する.→5+6x3=1  (mod5)→6x3=−4  (mod5)→x3=1がこの合同式の解である.

 x=11となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は

  x=11  (mod30)

である.

[2](2n+1,3n+2,5n+2)の場合,連立合同式

  x=1  (mod2)

  x=2  (mod3)

  x=2  (mod5)

x=x1+2x2+6x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3=x1=1  (mod3)→x1=1がこの合同式の解である.

→x=1+2x2+6x3を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3=1+2x2=2  (mod3)→2x2=1  (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.

→x=5+6x3を3番目の式に代入する.→5+6x3=2  (mod5)→6x3=−3  (mod5)→x3=2がこの合同式の解である.

 x=17となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は

  x=17  (mod30)

である.

[3](2n+1,3n+2,5n+4)の場合,連立合同式

  x=1  (mod2)

  x=2  (mod3)

  x=2  (mod5)

x=x1+2x2+6x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3=x1=1  (mod3)→x1=1がこの合同式の解である.

→x=1+2x2+6x3を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3=1+2x2=2  (mod3)→2x2=1  (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.

→x=5+6x3を3番目の式に代入する.→5+6x3=4  (mod5)→6x3=−1  (mod5)→x3=4がこの合同式の解である.

 x=29となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は

  x=29  (mod30)

である.

mod3,mod5で考えた結果,pが11以上の双子素数(p,p+2)について,pは30n+11型素数または30n+17型素数または30n+29型素数でなければならないことがわかります.

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