■テオドロスと√17(その3)

【1】テオドロスのらせん(平方根の螺線)

 原点をO,点P1を(1,0)とします.点P1において長さ1の垂線P1P2⊥OP1を立て点P2(1,1)とします.すると,OP2=√2となります.さらに点P2において長さ1の垂線P2P3⊥OP2を立てます.OP3=√3となります.これを繰り返せば,1,√2,√3,・・・,√(n−1),√nが得られ,点P1,P2,・・・は螺線のような図形を作る.

[Q]動径ベクトルOPkの長さは√kになりますが,その偏角がπ,2πを越すときのkの値は?

[A]平方根の螺線はピタゴラスの定理に基づく有名な図形です.

  θ=arctan(1/√(k−1))

としてΣθを求めると,

  π→ k=7

  2π→k=18

 すなわち,最後の三角形の斜辺は√17となり,その後は図が重なってしまう.このとき,Σθ=351.150となる(√18ではΣθ=364.783).

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 テオドロスは√3,√5,√6,√7,√8,√10,√11,√12,√13,√14,√15,√17の整数の平方でない数の平方根がすべて無理数であることを明らかにし,そこで止めた.

 √17で止めた理由については(疲れはててしまったのかもしれないが),その後は図が重なってしまい,それ以上は実証できなかったためともいわれている.

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