■iのiのi乗について(その1)

 オイラーの定理:

  exp(iθ)=cosθ+isinθ

において,θ=πを代入すると,exp(iπ)=−1という有名な式が得られる.π,i,eは数学の基本となる3つの数であるからだ.

 一方,i^2=−1であるから

  exp(iπ)=i^2

両辺をθ/π乗すると

  exp(iθ)=i^(2θ/π)=cosθ+isinθ

が成り立つ.

  θ=π/2のとき,i=i

  θ=π/4のとき,i^(1/2)=(1+i)/√2

  θ=π/6のとき,i^(1/3)=(√3+i)/2

iの実数乗は回転作用を表すことがわかる.

 さらに,両辺をi乗すると

  exp(−θ)=i^(2iθ/π)=(cosθ+isinθ)^i=cosiθ+isiniθ

が成り立つ.

  θ=π/2のとき,i^i=exp(−π/2)

普通の言葉に変換すると,iのi乗はeのπ乗の平方根の逆数になる.

  θ=π/4のとき,i^(i/2)=exp(−π/4)

  θ=π/6のとき,i^(i/3)=exp(−π/6)

iの虚数乗は実数になることがわかるが,これは原点からの距離(ノルム)の増減作用を表していると考えられる.

 また,

  exp(−θ)=i^(2iθ/π)=cosiθ+isiniθ

  exp(θ)=i^(-2iθ/π)=cosiθ−isiniθ

に,θ=1を代入すると

  1/e=cosi+isini

  e=cosi−isini

  cosi=(e+1/e)/2

  sini=(e−1/e)/2i

となる.

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