■無理数の測度論(その7)

 ピゾ数(ピゾ・ヴィジャヤラガヴァン数)とは,1より大きい代数的整数で,その共役数の絶対値が1より小さいもの(単位円内)である.

 最小のピゾ数はx^3−x−1=0の根である1.3241795・・・.他の2根は複素共役で,−0.66236±0.56228iで,絶対値は1より小さい.

 この数の存在は1944年,サレムによって示され,同年ジーゲルによって値が決定された.

 サレム(セーラム?)はピゾ数全体の集合が実軸上で閉集合に成るという驚くべき結果を示した.x^2−x−1=0の根である黄金比φ=1.618033988・・・はその集合の最小の集積点である.2はピゾ数全体の第2導集合の最小元である.

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 黄金比より小さいピゾ数をリストアップすると,

[1]x^3−x−1=0の根である1.3241795・・・(ジーゲル)

[2]x^4−x^3−1=0の根である1.38028(ジーゲル)

[3]x^5−x^4−x^3+x^2−1=0の根である1.44372

[4]x^2−x^2−1=0の根である1.46557

[5]x^6−x^5−x^4+x^2−1=0の根である1.50159

[6]x^5−x^3−x^2−x−1=0の根である1.53416

[7]x^7−x^6−x^5+x^2−1=0の根である1.54522

[8]x^6−2x^5+x^4−x^2+x−1=0の根である1.56175

[9]x^5−x^4−x^2−1=0の根である1.57015

[10]x^8−x^7−x^6+x^2−1=0の根である1.57368

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