■球帽の周長と面積(その7)

 半径1の半球を底面と平行な平面y=aで切って,体積を2等分するにはどこで切ればよいか−−−「まんじゅう等分問題」を解いてみよう.

 y=f(x)>0のグラフをx軸を中心に回転させてできる回転体の体積は

  V[y]=π∫y^2dx

で与えられる.y=(1-x^2)^(1/2)とおくと

  V[y]=π∫(1-x^2)dx

したがって,

  π∫(0,a)(1-x^2)dx=π(3a-a^3)/3

が球全体の1/4になればよい.

  π∫(0,a)(1-x^2)dx=π(3a-a^3)/3=π/3

  a^3-3a+1=0

  a=0.3472963553=2cos10

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【1】球帽の面積

 球面上の2点x,yに対して,θ=∠xoyを球面距離という.また,球面上の円を球帽という.ここでは点Pからの球面距離がθ(0≦θ≦π)であるような球面上の点全体の集合を考えるが,球面半径θの球帽の面積をC(θ)で表すことにすると,

  C(θ)=2π(1−cosθ)

で与えられる.

 緯度をαとして,赤道と緯度αの間のベルトの面積をB(α)で表すことにすると,

  B(α)=2π(1−sinα)

で与えられる.

(Q)熱帯は緯度23.5°の間の部分である.熱帯は地表の何%を占めるか?

(A)sin23.5°=0.39874(約40%)

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【2】表面積の2等分

 次に,半球の表面積を2等分するにはどこで切ればよいかの解も求めておこう.y=f(x)>0のグラフをx軸を中心に回転させてできる曲面の面積は

  S[y]=2π∫y(1+(y')^2)^1/2dx

で与えられるから,y=(1-x^2)^(1/2)とおくと

  S[y]=2π∫(0,a)dx=2πa=0.5/2・4π

より

  a=0.5=sin30

と求められる.

 B(α)=2π(1−sinα)を用いると

  B(α)=2π(1−sinα)=π→α=30゜

 赤道と北緯30゜線で挟まれる帯,北緯30゜線と北緯60゜線,北緯60゜線より北の部分の面積比は1:√3−1:2−√3になる.

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