■sin15°(その9)

【1】エラトステネス

 エラトステネスは地球の直径を求めた人として知られている.彼の方法はアレクサンドリアの南のシエネ(現在のアスワン)では夏至の日に太陽が真上にきて,井戸の底まで光が差し込むことが知られていて,ちょうどその時刻にでの入射角を観測すると7.2°(360°の1/50)であるから,アレクサンドリア・シエネ間の距離の」50倍が地球の円周であるという非常に簡単な原理であった.

 また,エラトステネスは素数を組織的に拾い出すふるいを考えた数学者として知られている.

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【2】アル・ビルーニー

 エラトステネスの1200年後,中央アジアのウズベク族の学者アル・ビルーニーは三角法を用いて,地球の半径を測った.

 まず三角法を用いて山の高さHを測る.その後,山頂に登って水平方向と地平線のなす角度θを測る.すると地球の半径Rは

  R=Hcosθ/(1−cosθ)

で与えられる.

 現在の値よりたった16.8km短いだけという精度であった.(誤差は0.5%未満,エラトステネスの見積もった値より10倍近く正確だったことになる.

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