■定規とコンパスで作図可能な正多角形(その22)

【1】テオドロスのらせん(平方根の螺線)

 原点をO,点P1を(1,0)とします.点P1において長さ1の垂線P1P2⊥OP1を立て点P2(1,1)とします.すると,OP2=√2となります.さらに点P2において長さ1の垂線P2P3⊥OP2を立てます.OP3=√3となります.これを繰り返せば,1,√2,√3,・・・,√(n−1),√nが得られ,点P1,P2,・・・は螺線のような図形を作る.

[Q]動径ベクトルOPkの長さは√kになりますが,その偏角がπ,2πを越すときのkの値は?

[A]平方根の螺線はピタゴラスの定理に基づく有名な図形です.

  θ=arctan(1/√(k−1))

としてΣθを求めると,

  π→ k=7

  2π→k=18

 すなわち,最後の三角形の斜辺は√17となり,その後は図が重なってしまう.このとき,Σθ=351.150となる(√18ではΣθ=364.783).

 テオドロスは√3から√17までの,整数の平方でない数の平方根が無理数であることを明らかにし,そこで止めた.止めた理由については(疲れはててしまったのかもしれないが),その後は図が重なってしまい,それ以上は実証できなかったためともいわれている.

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