■対蹠点までの距離(その282)

見えている部分に関して、ワイソフ記号との内積をとる

正四面体系(1,1,1)

正八面体系(2,2,1)

正20面体系(3,4,3)

正五胞体系(1,1,1,1)

正16胞体系(2,2,2,1)

正24胞体系(4,5,4,2)

正600胞体系(5,12,16,12)

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vに関してはこれで良しとして、wについては

正四面体系(1,2,3)

正八面体系(2,4,3)

正20面体系(3,4,3)+(022)+(001)=(366)

正五胞体系(1,2,3,4)

正16胞体系(2,4,6,4)

正24胞体系(4,5,4,2)+(0,1,2,2)+(0,0,1,1)+(0,0,0,1)=(4,6,7,6)

少なすぎるので (4,6,8,6)とした

正600胞体系(5,12,16,12)+(0343)+(0022)+(0001)=(5,15,22,18)

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しかしながら、この方法はすべての準正多胞体について精確な値を与えるわけではないことを断っておきたい。

すなわち、上限定理なのである。そのため、準正多胞体の北極・南極点間の辺-距離の上限について、いささか緩い形で与えておきたい。

[Q]シュレーフリ・ワイソフコード{p1,p2,・・・,pn-1}(q0,q1,q2,・・・,qn-1)で表される任意のn次元準正多胞体の北極・南極点間の辺-距離の最大数はいくつだろうか?

この問題に対する答えは驚くほど単純でエレガントなものである。

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上限定理

シュレーフリ・ワイソフコード{p1,p2,・・・,pn-1}(q0,q1,q2,・・・,qn-1)で表される任意のn次元準正多胞体をπnで表すとき、その不可視部分にある側胞はシュレーフリ・ワイソフコード{p2,・・・,pn-1}(q1,q2,・・・,qn-1)で表されるn-1次元準正多胞体をπn-1となる。

それらの北極・南極点間の辺-距離をそれぞれe(πn)、e(πn-1)で表すことにすると、それらに対して、あるベクトルv=(v0,v1,v2,・・・,vn-1), w=(w0,w1,w2,・・・,wn-1)が定まり、

  e(πn)≦q・v+ e(πn-1) ≦q・w

とすることができる。

たとえば、{p1,p2,・・・,pn-1}={3,3,・・・,3,4}の場合、

v=(2,2,2,・・・,2,1), w=(2,4,6,・・・,2(n-1),n),Σwi=n^2とおくことができる。格子多胞体の例でいうと

{3,4}(1,1,0): (1,1,0)・(2,4,3)=2+4+0=6<9

{3,3,4}(1,1,1,0): (1,1,1,0)・(2,4,6,4)=2+4+6+0=10<16

{3,3,3,4}(1,1,1,1,0): (1,1,1,1,0)・(2,4,6,8,5)=2+4+6+8+0=20<25

{3,3,3,3,4}(1,1,1,1,1,0): (1,1,1,1,1,0)・(2,4,6,8,10,6)=2+4+6+8+10+0=30<36

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しかし、このようにして得られたwが誤差の最大値を最小化するわけではないことを申し添えておきたい。

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