■ダリとエッシャー(その9)

 ダリのパラダイムシフトが如実に現れている作品が「記憶の固執(1931年)」と「記憶の固執の崩壊(1954年)」の対比である。

 前者は時間と空間の流動性を示唆しているのに対し、後者では前者に描かれていたものがブロック化され、物質とエネルギーは離散的な量子に分解されるというハイゼンベルグの量子物理学的な視点が採用されている。

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