■定規とコンパスで作図可能な正多角形(その13)

 同じ大きさの正3角形2個のうち,1個を天地逆転させ,もう1個の正3角形に重ねると,星形6角形ができます.これはダビデの星と呼ばれて,イスラエルの国旗にも使われ,ユダヤ人の象徴とされています.星形6角形では内側に正6角形ができますが,外側のとがった角を結んでも正6角形ができます.すなわち,星形6角形は外側を正6角形が取り囲んでいて,内側にも正6角形が入っていることがわかります.それでは,・・・

 

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【問】同じ大きさの正4面体2個を重ねた場合,その外側と内側にはどのような立体ができるでしょうか?

 

(答)この問題はダビデの星の3次元版です.頭の中でイメージできれば答は簡単なのですが,勘の働きにくい問題でもあります.

 

 上から見ても,前から見ても,横から見ても,同じ6角形に見える3次元図形を想像されたのではないでしょうか? ところが正解は,同じ大きさの正4面体2個による相貫体にはケプラーの8角星という名前がつけられていて,外側に立方体(正方形6面),内側に正8面体(正3角形8面)をもっています.

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 小生はこの問題を「ダビデの星・ケプラーの星」と呼んでいます.しかし,よくよく考えると,正三角形と正六角形が互いに隣接した周期的な格子は「ダビデの星」に限りません.竹篭編みにみられる「カゴメ格子」もそうなっています.「カゴメ格子」は,文字通り,篭の目の結び目を作る格子であり,日本人が最も愛好した文様のひとつです.ちなみに「カゴメ」は世界でも通用する呼び名とのことです.

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