■整数生成定規(その16)

[Q]目盛りのついていない長さLの環に目盛りをm個刻んで,長さ1からLまですべてはかれるようにするにはどうすればいいか?

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 具体例をといくつかあげておきたい.

[1]m=3,L=7:{1,2,4}

[2]m=4,L=13:{1,4,6,2},{1,7,2,3}

[3]m=5,L=21:{1,3,10,2,5}

[4]m=6,L=31:{1,2,5,4,6,13}

[5]m=7:存在しない

これを作ることができるmは

m=p^k+1

すなわち、m=3,4,5,6,8,9,10,12,14,17,18,20,24,26,・・・

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素数あるいは素数のベキ乗は有限体の元の個数である。

2,3,4,5,7,8,9,11,13,16,17,19,23,25,・・・

代数学の教えるところによれば,n元の体(加減乗除の演算が定義された集合)が存在するための必要十分条件は,nが素数(のベキ乗)になっていることで,位数2,3,4=2^2,5の体は存在するが,位数6=2×3の体は存在しない.そして,位数7,8=2^3,9=3^2の体は存在して,位数10=2×5のものは存在しない.

位数がnの有限体はnが素数と素数の累乗の場合だけに限られる.すなわち,位数が2,4,8,16,32,・・・の有限体,3,9,27,81,243,・・・の有限体はあるが,6や15の有限体はない.

位数11のの有限体はあるが,12の有限体はないのである。

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