■ヤコビの4平方和定理(その28)

 ζ(s)の零点がs=1/2に乗っているという仮定の下に

  π(x)=li(x)+O(x^1/2lnx)

がコッホ同値条件(1901年)である.

 もう少し精緻化すると,2657以上のすべてのxについて,

  |π(x)−Li(x)|≦C・x^1/2logx

  C=1/8π

が成り立つことと論理的に同等です.

===================================

 約数の個数関数d(k)の平均値の漸近挙動について,ディリクレは

  1/nΣd(k)〜ln(n)-2γ+1

を示しました.

  1/25Σd(k)=3.48 → ディリクレの評価はln(25)-2γ+1=3.37

  1/50Σd(k)=4.14 → ディリクレの評価はln(50)-2γ+1=4.07

  1/100Σd(k)=4.82 → ディリクレの評価はln(100)-2γ+1=4.76

 d(n)でnの約数の個数を表せば,

  D(n)=Σd(n)+xlnx+(2γ−1)+Δ(x)

 ディリクレ自身の誤差評価はΔ(x)=O(x^1/2)であったが,ボロノイの結果は

  Δ(x)=O(x^1/3lnx)

で,ディリクレの評価を本質的の凌駕するものであった.

 現在知られている最良の評価はハクスリーによるもので,

  Δ(x)=O(x^23/73ln^461/146x)

で,ボロノイの結果から

  1/3−23/73==4/219=0.01826・・・

すなわち6%にも達していない.

 なお,ハーディーによって,

  Δ(x)=O(x^θ),θ≧1/4

であろうと予想されている.

===================================