■平行曲線(その8)

【3】接線極座標と内転形

 卵形線上に原点をとり,曲線上の点P(x0,y0)における接線とx軸とのなす角度をθとすると,

接線方向の単位ベクトル  : e1=(cosθ,sinθ)

それと直交する単位ベクトル: e2=(−sinθ,cosθ)

となります.

 また,接線の方程式は

  y−y0=tanθ(x−x0)

  (x−x0)sinθ−(y−y0)cosθ=0

  xsinθ−ycosθ=x0sinθ−y0cosθ=p(θ)

と表されます.このとき,右辺はベクトルPOと法線ベクトルの内積ですから,原点から接線までの距離は|p(θ)|で与えられます.

 すなわち,曲線上の点Pにおける接線に原点Oから引いた垂線の長さをp,接線とx軸とのなす角度をθとすると,

  xsinθ−ycosθ=p(θ)

と表されます.(p,θ)を接線極座標といいます.

 アステロイドの平行曲線の接線極座標は

  x=acos^3θ+rsinθ

  y=−asin^3θ−rcosθ

を代入して

  p(θ)=asin2θ/2+r

で与えられます.

 ここで,ω=2π/3とおくと,

  p(θ)+p(θ+ω)+p(θ+2ω)=3r=h(一定)

ですから,内転形であるための条件を満たします.

 また,その曲率半径は

  ρ(θ)=p(θ)+p”(θ)

 =asin2θ/2+r−2asin2θ=r−3/2asin2θ≧0

より,r≧3/2aに対し,アステロイドの平行曲線

  x=acos^3θ+rsinθ

  y=−asin^3θ−rcosθ

は特異点をもたずに高さh=3rの正三角形に内接しながら回転することができる図形であることがわかります.

 a=1,r=3の場合を図示すると

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