■メルカトール図法と航程線(その3)

対数らせんやアルキメデスのらせんは発散するらせんである. それに対して,クロソイドは収束するらせんである.

1744年,オイラーはこの曲線の曲率が弧長に比例するという性質を発見した.クロソイドの自然方程式 κ(s)=2s、したがって、κ’(s)=2

曲線上を進むにつれてらせんはどんどんきつく巻かれていく.物理学者のコルニュは光が回折するとき,この曲線が現れることに気づいた.

等速で走行しながら一定の速度でハンドルを切ると,車の軌跡はクロソイド曲線を描く.

高速道路において直線区間と円弧区間の境目では急激なハンドル操作は車を不安定な状態に陥らせる.そのため,直線区間と円弧区間を緩和曲線と呼ばれる曲率が緩やかに変化する曲線でつながれるのである.

===================================

リンゴの皮を一定の幅でむく.幅を細くすればするほどクロソイドに漸近するから、リンゴの皮むき曲線といったほうが分かりやすいかもしれない.

ところで、直径10センチのリンゴの皮を1センチ幅でむく。リンゴの皮の全長は何センチになるか?

===================================