■車輪の問題(その1)

円形の車輪の中心に車軸がある場合,車軸は常に地面から一定の高さに保たれている.しかし,四角形の中心に車軸をつけて回転させても地面から車軸までの高さは一定には保たれない.ここで発想を転換させて,地面を変形させて車軸が一定の高さを保ったまま移動させることを考える.

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輪転曲線(ルーレット曲線)

一つの曲線c1があって、もう一つの曲線c2がc1に接しながらすべることなく転がるものとする。このとき、c2に固定した点Pが描く曲線を輪転曲線という

サイクロイドやトロコイドは輪転曲線の特別な場合である。歯車の場合とは異なり、中心は固定されていない

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順問題

円が直線上を回転するとき,円の中心が描く軌跡は定直線に平行な直線となります.

円を正方形に置き換えてみると,頂点が回転軸となりますから,正方形の中心は中心角π/2の円弧を連ねた波型曲線を描きます.正三角形の場合,その中心(重心)は中心角2π/3の円弧をつないだ曲線になります.

一般に,正n角形の場合,中心角2π/nの円弧をつないだ曲線となるのですが,円の場合は正n角形のn→∞のときの極限として,平行線を描くというわけです.

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2次曲線が直線上を転がるときに,焦点の描く軌跡を微分幾何学を用いて求めてみます.解曲線は離心率eの値によって,

  楕円(0≦e<1) → アンデュラリー

  放物線(e=1)  → カテナリー(懸垂線)

  双曲線(e>1)  → ノーダリー

と呼ばれます.

懸垂線(カテナリー)は伸び縮みしないひもの両端を固定しぶら下げてできる曲線ですが、放物線が直線上を転がるとき、焦点の描く軌跡でもあります。カテナリー以外は簡単な式では表せません

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