■ロータリーエンジンはこれから何処へ向かうのか?(その3)

フルヴィッツのフーリエ級数論(1902)

フーリエ級数と呼ばれる関数展開は,フランスの数学者・物理学者フーリエが熱伝導に関する著作の中で,鉄の輪を熱したときの温度分布を解析する熱伝導の考察から誕生し,任意の周期関数y=f(x)がサインとコサインの項の和,すなわち,単振動の和に分解されることを証明したことに始まる.フーリエ級数は波動や振動現象の解明をはじめ多くの応用分野をもっている.フルヴィッツが20世紀初頭に発表した有名な論文[1]にはフーリエ級数を用いた等周問題の厳密な証明のほか,アステロイドの平行曲線は正三角形の内転形であること,デルトイドの平行曲線が定幅曲線(平行な支持線間の距離が一定な卵形線)であることなどが証明されている.この論文からの刺激をうけて[a]正方形の偏心回転の包絡線=デルトイドの平行曲線,[b]特異点の解消,[c]包絡線の隠線の順に,ロータリーエンジンの改良を試みた.地球温暖化対策の下,ロータリーエンジンはこれからどこへ向かうのだろうか?

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