■形の科学会レポート(その7)

「形の科学会」では質問やコメントの類も記録に残すことになっている。

===================================

佐藤→山口

ヒマワリの花はこれまでカオスの問題として扱われてきませんでしたが

不安定な軌道のなかに安定な軌道が突然見てとれるようになったりして

開度パラメータの微少な変化で様相が激変するところから、カオスの問題としてとらえるべき問題ではないかと考えています。

しかし、周期倍分岐とは違って、ヒマワリの像からの変位度を数値化して表すことができません。

ひょっとして根岸先生の方法ならばそれを扱えるかなと思ったのですが、まだまだ満足する域まで達していないようにも思えます。

ヒマワリの像からの変位度を数値化できるような方法をご存知でしたらご教示願えればと思い、メール差し上げました。

===================================

山口→佐藤

メールを読んで考えてみました。

以下、メモを書きました。参考になれば幸いです。

(1) 根岸先生の手法でパワースペクトルを調べる。

ピークが現れてくると周期的配置か、もしかしたら準周期的配置。

大きく乱れているとカオスの可能性。

周期的配置から準周期的配置への変化、または逆の変化等が生じている場合。

モアレパターンの変化に似ているように観測される。

これもちょっとしたことでパターンが大きく変化したように見える。

(2) カオスの場合。カオスが突然生じることはありません。

何かしらの分岐を経て生じる。代表例が周期倍分岐を経てカオスへ。この場合は極端な変化は生じません。

ある領域に閉じ込められていた軌道が急に広がる。代表例が間欠性カオス。この場合は弱いカオスから強いカオスへ遷移する。

今回の場合に当てはまるかどうか?

(3) 位相的エントロピーを調べる。

配置に関するエントロピーが定義できるといいのですが、思いつきません。

(4) (3)と同様のアイデアとしてフラクタル次元を求める。

方法はいろいろあるので実行可能。

次元が変化していると、カオスと切り離してもおもしろい。

何かしらのことが言えそう。

付記

古い話です。中国の天台智の説

人も植物も石も同じと考える.

ただし、植物とか石においては人間の持っている感情等がないのではなく妙伏していると考える。

そして、何かの縁で顕現することがある.

例:物質に過ぎない薬が身体に取り込まれると何かの働きをする。

今日の科学も天台の考えを取り入れる必要があると考えてます。

佐藤先生と根岸先生の話を聞いていて

「植物も何かしらの目的とか方針があって、それに従って自分自身を変化させている」との印象を持ちました。

以上です。

===================================