■ブレットシュナイダーの公式(その28)

【2】多角形の等周問題

 どのような多角形でも辺の長さを変えずに,内角を変えて円に内接させることができます.また,どのような多角形でも辺の長さを変えずに,内角を変えて囲む面積を最大にすることができます.

 n≧4のとき,各辺の長さが指定されたn角形の中で,面積が最大のものは円に内接します.さらに周の長さが指定されたn角形の中で,面積が最大のものは正n角形です(円を球帽に変えれば球面n角形に対しても成り立つ).

 単位円に内接する凸n角形の周長Lは

  L=2(sinα1+・・・+sinαn)

これより,

  L≦2nsin(π/n)

また,外接する場合,

  L=2(tanα1+・・・+tanαn)

  L≧2ntan(π/n)

 一般に,凸n角形の面積S,周長L,内接円の半径r,外接円の半径Rの間には,次の不等式が成り立ちます.

  2nrtan(π/n)≦L≦2nRsin(π/n)

  nr^2tan(π/n)≦S≦1/2nR^2sin(2π/n)

 等号は正n角形の場合にのみ成り立ちますから,定円に外接するn角形の中で,正n角形は周長・面積が最小であり,内接するn角形の中で,正n角形は周長・面積が最大となります.このことは直観的にも理解されるでしょう.

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