■アポロニウスの最大最小問題(その11)

【1】エピサイクロイド・ハイポサイクロイドの特異点(直線族の包絡線)

 エピサイクロイド(カージオイド,ネフロイドなど),ハイポサイクロイド(デルトイド,アステロイドなど)には,直線族の包絡線(エンベロプ)であるという共通の性質が知られています.

 たとえば,ネフロイドは平行光線が円の内側で反射されるときの包絡線でしたが,カージオイドは光が周上の1点から発して円周で反射されたときにできる包絡線であることがわかっています.カージオイドは4次曲線

  (x^2+y^2)^2−6(x^2+y^2)+8x−3=0

で表されます.n=1ですから,半径Rの凹面鏡の球心を中心とする半径R/3の円上を滑ることなく転がる半径R/3の円の接点の軌跡であり,カージオイドの特異点は凹面鏡の球心からR/3の位置にできることになります.

 円の反射による包絡線は一般にはリマソン(蝸牛線)になるのですが,光源の位置が無限遠にある場合はネフロイド,円周上にある場合はカージオイド,円の中心にある場合には円の中心そのものになるというわけです.