■掛谷宗一(その1)

【1】掛谷宗一

 明治19年生.明治45年,東北大学助教授に任じられる.大正9年,東京高等師範学校教授に転出したが,東北大学在職中からの積分方程式論の研究で学士院賞(恩賜賞)を授与された.のちに東京大学教授となり,学士院会員にも選ばれた.趣味は将棋で在仙中は土井晩翠と好敵手であった由である.

 「掛谷の問題」については後述することにして,

「anx^n+an-1x^n-1+・・・+a1x+a0=0の係数がすべて正の実数であるとき,その根の絶対値はすべて

  an-1/an,an-2/an-1/,・・・,a1/a2,a0/a1

の最大値と最小値の間にある」は「掛谷の定理」として海外にも有名になり,ランダウによって関数論の問題に応用された.昭和22年逝去.

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