■ピザの問題(その7)

【8】スパゲッティの輪

[Q]ゆであがったスパゲッティ50本が皿に盛りつけられてある.スパゲッティの端は100個ある.これらの端を2個ずるランダムに選んで繋げていく.全部の端を繋げ終わったとき,スパゲッティの輪は平均でいくつできるか?

 この問題はしばしば己の尾を噛んで環となったヘビ(ウロボロスのヘビ)の例でも代用される.うまく自分の尾を噛めば小さな輪がひとつできるが,何匹かのヘビが連なって,大きな輪ができることもある.

[A]いま,n匹のヘビがいるとして,最初のヘビがうまく自分の尾を噛めば小さな輪がひとつでき,n−1匹のヘビが残る.かみついたのが他のヘビの尾としたら,このときは2匹をまとめて少し長くなった1匹のヘビと考えると,やはりn−1匹のヘビが残ることになる.

 つまり,最初のヘビがかみついたのが自分の尾であろうとなかろうと,その後の状況はn−1匹のヘビがいるのと変わらないのである.最初のヘビはうまく自分の尾にかみつく確率(輪ができる確率)は1/n.n−1匹のヘビがいる場合は1/(n−1).

 したがって,10匹の場合は

  1/10+1/9+1/8+・・・+1/2+1/1=2.93

となる.

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[A]ヘビではなくスパゲッティの場合は,頭と尾の区別がないから,n本のスパゲッティの最初の1本が輪を作る確率は1/(2n−1).

 したがって,10本のスパゲッティでは

  1/19+1/17+1/15+・・・+1/5+1/3+1/1=2.13

50本のスパゲッティでは

  1/99+1/97+1/95+・・・+1/5+1/3+1/1=2.93

となる.

 調和数列の和の近似値

  Hn=狽P/k≒logn+γ+1/2n

を使えば

  1/99+1/97+1/95+・・・+1/5+1/3+1/1

=H100−1/2・H50

=log100−1/2・log50+1/2・γ

=2.93

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