■変わりサイコロの母関数(その7)

【6】2個の十面体サイコロの出目

 正十面体は存在しないので,正十角柱で代用することにする.十面体のサイコロの母関数は

  P(x)=x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6+x^7+x^8+x^9+x^10

=x(x+1)(x^4+x^3+x^2+x+1)(x^4−x^3+x^2−x+1)であり,2つを振ったときでる目の合計の母関数は

  {P(x)}^2=x^2(x+1)^2(x^4+x^3+x^2+x+1)^2(x^4−x^3+x^2−x+1)^2

=x^2+2x^3+3x^4+4x^5+5x^6+6x^7+7x^8+8x^9+9x^10+10x^11+9x^12+8x^13+7x^14+6x^15+5x16+4x^17+3x^18+2x^19+x^20

になる.

 したがって,たとえば,

  Q(x)=x(x+1)(x^4+x^3+x^2+x+1)(x^4−x^3+x^2−x+1)^2

  R(x)=x(x+1)(x^4+x^3+x^2+x+1)

ならば,

  {P(x)}^2=Q(x)R(x)

となる.

 以上より,

十面体サイコロ{1,3,5,6,7,8,9,10,11,12}

十面体サイコロ{1,2,2,3,3,4,4,5,5,6}

が解となる.

===================================

ところが,これには計算しないで済む解法があるという.

[1]10面サイコロを振ることは均質2面サイコロ{0,5}と均質5面サイコロ{1,2,3,4,5}の2つを同時に振ることと同等である.

[2]10面サイコロを振ることは均質2面サイコロ{0,1}と均質5面サイコロ{1,3,5,7,9}の2つを同時に振ることと同等である.

 ここで,組み合わせを変えて

[3]10面サイコロを振ることは均質2面サイコロ{0,5}と均質5面サイコロ{1,3,5,7,9}の2つを同時に振ることと同等である.

[4]10面サイコロを振ることは均質2面サイコロ{0,1}と均質5面サイコロ{1,2,3,4,5}の2つを同時に振ることと同等である.

[3]→十面体サイコロ{1,3,5,6,7,8,9,10,11,12}

[4]→十面体サイコロ{1,2,2,3,3,4,4,5,5,6}

となるというわけである.

===================================