■測度論(その12)

【6】ユークリッドの互除法の測度論

ユークリッドの互除法では2つの正整数m,nがあるとき,その最大公約数dとの間で

  am+bn=d

を成り立たせることができることを示している.

a>bとする.ユークリッドの互除法のアルゴリズムは(a:b)に対して  (b:a−mb)

で置換するというものである.これを,

  (a:b)=(b:a−mb)

と書くことにする.

 これにより,連分数列

  [m0:m1,m2,m3,・・・]

が生起される.すなわち,ユークリッドの互除法は連分数と関連していて,その部分商がaになる確率は

  log2(1+1/a)−log2(1+1/(a+1))

=log2((a+1)^2/((a+1)^2−1))

で与えられます.

 a=x,b=1とおくと

  x:1=1:x−m

  x^2−mx−1=0

 これはどこか見覚えのある式であって,仮にa=τ,b=1とおくと

  τ:1=1:τ−1

となることから,ユークリッドの互除法と黄金比の関係が示唆されるのである.

  x={m+(m^2+4)^1/2}/2

であるから

[1]m=m0=m1=m2=・・・=1のとき(黄金比)

  x={1+√5}/2

[2]m=m0=m1=m2=・・・=2のとき(白銀比)

  x={2+√8}/2=1+√2

[3]m=m0=m1=m2=・・・=3のとき(青銅比)

  x={3+√13}/2

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