■素数による整除性(その1)

[1]最下位桁の数字が2で割り切れる=偶数(0,2,4,6,8)であるとき,その数は2で割り切れる.

[2]各桁の和が3で割り切れるとき,その数は3で割り切れる.

[3]下位2桁の数字が4で割り切れるとき,その数は4で割り切れる.

[4]最下位桁の数字が5で割り切れる=(0,5)であるとき,その数は5で割り切れる.

[5]各桁の和が9で割り切れるとき,その数は9で割り切れる.

  837=8(99+1)+3(9+1)+7

     =8・99+3・9+(8+3+7)

     =(9の倍数)+(各桁の和)

についてはいまさら説明する必要はないであろう.ここでは素数pによる整除性テストを取り上げたい.

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【1】7による整除性テスト

[1]最下位の数字を除去し,残った数から除去した数字の2倍を引く.

→その結果が7で割り切れるならば,その数は7で割り切れる.

 876547の場合,

  87654−7・2=87640

  8764−0・2=8764

  876−4・2=868

  86−8・2=70→7で割り切れる.

  87654=87640+7・2

  87654・10=87640・10+7・2・10

  87654・10+7=87640・10+7・2・10+7

 =876547

  8764=8764+0・2

  8764・10=8764・10+0・2・10

  8764・10+2=8764・10+0・2・10+2

 =876402

  876=868+4・2

  876・10=868・10+4・2・10

  876・10+4=868・10+4・2・10+4

 =8764

  86=70+8・2

  86・10=70・10+8・2・10

  86・10+8=70・10+8・2・10+8

 =868

最下位の数字を除去し,残ったか数から除去した数字の2倍を引く.という操作は,最下位の数字がNのとき,20N+N=21N(7で割り切れる)を束にして元の数から引くことを意味しているのである.

なお,876547を7進法表記すれば

  876547=1・7^7+0・7^6+3・7^5+1・7^4+0・7^3+3・7^2+5・7+0

→10310350

となるが,7を法とした合同式では,7^7=7^6=7^5=7^4=7^3=7^2=7=0なので,

  876547=0  (mod7)

となる.

 これは7進法表記103103507の左の7桁を無視して,一番右の桁だけをみることに相当する.

ついでに,7で割り切れない数の場合を示しておこう.

 1634を7進法表記すれば

  1634=4・7^3+5・7^2+2・7+3

→4523

となるが,7を法とした合同式では,7^3=7^2=7=0なので,

  1634=3  (mod7)

となる.

 これは7進法表記4523の左の3桁を無視して,一番右の桁だけをみることに相当する.

 49=7^2を法とした合同式では,7^3=7^2=0なので,

  1634=2・7+3=17  (mod49)

となる.

 7進法表記4523の左の2桁を無視して,右の2桁だけをみることに相当する

  1634=23  (mod49)

といきたいところであるが,そうではないことに注意.

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