■パスカルの三角形の整除性(その7)

【7】二項係数の偶奇性(3)

1  1                 奇数2,偶数0

1  2  1              奇数2,偶数1

1  3  3  1           奇数4,偶数0

1  4  6  4  1        奇数2,偶数3

1  5  10  10  5  1     奇数4,偶数2

1  6  15  20  15  6  1  奇数4,偶数3

 パスカルの三角形のn行の奇数と偶数の割合を計算する.n→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づく. 

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 もっと正確に評価すると,はじめのn行に現れる奇数の個数をPnとすると

  0.812<Pn/n^log2/log3<1

  0.812・n^log2/log3<Pn<n^log2/log3

となるのだそうだ.

 log2/log3=0.6309・・・

は区間[0,1]を3等分して中央の区間を取り除くという操作を繰り返して得られる3分割カントル集合のフラクタル次元となります.

 はじめのn行に現れる奇数と偶数の合計はn(n+1)/2≒n^2/2ですから,奇数の比率Qnは

  1.624・n^log2/log3-2<Qn<2・n^log2/log3-2

となって,はじめのn行でみてもn→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づくのです.

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