■代数幾何(その19)

【6】蛇足

(Q)所与の数を6とする.与えられた数を2つの有理数の和に表し,その2数の積がx^3−xになるようにせよ.

(A)y(6−y)=x^3−xが成り立つような有理数x,yを求める.点(−1,0)はこのグラフ上にあるので,x=αy−1とおくと,

  6y−y^2=α^3y^3−3α^2y^2+2αy

  y(α^3y^2−(3α^2−1)y+(2α−6))=0

 この等式の1次の項が消えるようにα=3とおくと,

  27y^3−26y^2=0 → y=26/27,x=17/9

さらにこの点で接線を引く操作を繰り返すと新しい解がいくらでも得られる.

  y(6−y)=x^3−xは変数変換w=y+3,x=−xによって,楕円曲線w^2=z^3−z+9になる.P=(z,w)=(1,3),Q=(0,3)という2つの有理点(整数点)によって,すべての有理点がmP+nQの形で与えられることがわかっている.上の手順は2P=(−17/9,−55/27)の計算に相当する.

 なお,この楕円曲線上には±(0,3),±(1,3),±(1,−3),±(9,27),±(35,207),±(37,225),±(46584,10054377)および無限遠点の計15個もの整数点が見つかるという.

  

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