■代数幾何(その14)

整数の問題と幾何学の問題は互いに密接に関係している.現代数学においては,幾何学に代数の構造を入れる.たとえば,楕円曲線にはアーベル群の構造が入り,その上で演算を定義して,代数の構造を手がかりに楕円曲線を研究することになる.

 そして,同値な図形が同じ値をもつ不変量を定義することによって,構造を同一視することができる.逆に,ある幾何学的対象が同値でないことの証明は,問題の図形の不変量が異なっていることを示すことにより達成される.

 3次曲線のj-不変量はそのひとつの例であり,射影変換によって互いに写り合う3次曲線は同型とみなされるのである.

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【1】群の例

 群とは集合に演算を入れたものです.6つの有理関数

  f1(x)=x,f2(x)=1−x,f3(x)=1/x,f4(x)=1/(1−x),

  f5(x)=(x−1)/x,f6(x)=x/(x−1)

を考えます(x≠0,1).2つの関数の合成,たとえば,

  f2・f3(x)=f2(f3(x))=1−1/x=(x−1)/x=f5(x)

ですから,f2・f3=f5とします.

 すると,この6つの関数は群となります.

     | f1  f2  f3  f4  f5  f6

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  f1 | f1  f2  f3  f4  f5  f6

  f2 | f2  f1  f5  f6  f3  f4

  f3 | f3  f4  f1  f2  f6  f5

  f4 | f4  f3  f6  f5  f1  f2

  f5 | f5  f6  f2  f1  f4  f3

  f6 | f6  f5  f4  f3  f2  f1

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