■三角形のフェルマー整数三角形分割(その7)

[Q]3辺の長さが整数d,e,fの三角形がある.その中にある1点をとったら,3頂点とそれらを結ぶ線分の交角はすべて120°で、それぞれa、b、cの整数距離にあった.

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【問】平面上に3つの定点A,B,Cがある.この平面上に点Pをとって,AP+BP+CPが最小になるようにせよ.

 

(答)この問題はフランスの数学者フェルマーがイタリアの物理学者トリチェリに出題したものとして有名な問題で,求める点Pをフェルマー点といいます.点Pは三角形ABCの内部にありますが,∠A,∠B,∠C<120°のときには,3頂点に至る距離の和が最小となる点は3辺を等角120°に見込む点です.∠A,∠B,∠Cのいずれかが≧120°のときには,それぞれ頂点A,頂点B,頂点Cになります.

 

 微分積分の入門書に「平面上に3つの定点A,B,Cがある.この平面上に点Pをとって,AP2 +BP2 +CP2 が最小になるようにせよ」という問題が偏導関数の応用例として載せられています.その点Pは重心です.3定点が4定点であっても,同じ議論になるのですが,距離の2乗の和に特に具体的な意味があるようには思えません.むしろ,2乗を取り去ったほうが問題としては自然です.たとえば,「A,B,C3軒の家に電線をひきたい.電線の長さを最小にするにはどこの柱を立てればよいか」ではAP+BP+CPを最小にする実用価値のある問題になります.このような最短配線問題は最小木問題(問題の発案者シュタイナーに因んで最小シュタイナー木問題)と呼ばれていますが,VLSI回路を設計するときの最も基本的な技術となっています.

 

 なお,三角形の内心は3辺への距離のうちで一番小さいものが最大となる点(マックスミニ点),外心は3頂点に至る最大距離が最小となる点(ミニマックス点)です.同様に,垂心は三角形に内接する三角形の周長が最小になる点,重心は3頂点に至る距離の2乗の和が最小となる点です.

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