■フーリエ級数(その4)

【4】フルヴィッツのフーリエ級数論

フーリエ級数は,波動や振動現象の解明をはじめ多くの応用分野をもっています.以下では,フルヴィッツが20世紀初頭に発表した論文からフーリエ級数論の応用として,ロータリーエンジンを改良することを考えてみましょう.

ロータリーエンジンの改良

現在あるロータリーエンジンはルーローの三角形に似たローターが偏心回転してできる中央がややへこんだ繭型曲線(ペリトロコイド曲線)ですが,これを2個の半円を直線で補間した競技場型へと改良したい.ここではフルヴィッツのフーリエ級数論の応用として,中心軌道が円で,精確に円と直線に沿って動く機構を紹介する.

ローターは,3項よりなる有限フーリエ級数

x=(n-2)cos(nt)+ncos(n-2)t-2n(n-2)sint

y=-(n-2)sin(nt)+nsin(n-2)t -2n(n-2)cost

で表すことができて,n=4とおくと,ローターの方程式が得られる.その包絡線は4項よりなる有限フーリエ級数

x=

y=

で与えられる.

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