■解析(その2)

【2】取り尽くし法とてこの原理

高校の数学の時間に,フェルマーが『x^n+y^n=z^nはn≧3のとき,正の整数解をもたないことのまことに驚くべき証明をなしえたが,ここの余白が狭すぎて書き込むことができない』と記したことを教わりました.数学史上とりわけ有名な一節であり,かっこいいと思った人は少なくないでしょう.小学校の理科の時間に,アルキメデスが「私に足場を与えてくれれば,地球でさえ動かしてみせる」といった逸話を教わりました.この逸話も有名なものですが.私はもっとかっこいいと思った・・・

 アルキメデスが放物線の面積や球の体積を積分法に拠らずに求めたことはよく知られていますが,この方法にはてこの原理(支点・力点・作用点)が用いられていることはあまり知られていないのではないかと思われます.たとえば,アルキメデスの求積法では,放物線を三角形で埋める操作を繰り返します.放物線の面積は放物線y=ax^2上の3点(x1,ax1^2),(x2,ax2^2),((x1+x2)/2,a(x1+x2)^2/4)を結ぶ三角形の面積の4/3であることの計算は,無限等比級数

  1+1/4+1/4^2+・・・=4/3

で釣り合いがとれることから,この方法は取り尽くし法と呼ばれています.

取り尽くし法によって

[1]同じ底辺と高さをもつ正方形と三角形の面積比は1/2である

[2]同じ底辺と高さをもつ正方形と放物線の面積比は2/3である

[3]同じ底面と高さをもつ円柱と円錐の体積比は1/3である

[4]同じ底面と高さをもつ円柱と回転放物体の体積比は1/2である

[5]球の体積は球に接する円柱の体積の2/3になる

[6]球の表面積は,球に接する円柱の側面積と等しくなる

などが得られるのです.てこの原理(釣り合い)は次のパップスの定理にも用いられています.

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