■微分幾何(その7)

【5】古典的な微分幾何学と多様体の微分幾何学の相違

 ジェットコースターを考察してみよう.ジェットコースターを外から見て,三次元空間内の曲線と見なすのが古典的な微分幾何学である.一方,ジェットコースターに乗ってこの曲線を解析するのが,多様体論である.その際,ジェットコースターに乗ったときの,重力や恐怖の数式化が曲率などのテンソルとなる.

 

 「接続」云々は,地図のことを考えてみるとよい.地球は球面であるが,地図は平面で表現される.五万分の1の地図と,同じ区域の二万五千分の1四枚を考察する.それぞれは曲面を平面に変換した地図であり,共有する領域には,ある種の変換式がなければならない.この変換式が成り立つことが多様体の条件である.

 

 n次元の多様体上でのリーマン計量の幾何を考えることは可能である.ともあれ,アインシュタイン理論(宇宙の大域的構造は何か?)のようにユークリッド空間とは異なるピタゴラスの定理が成り立つ世界が存在するのである.

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