■グラフ理論(その8)

【10】種数gのトーラス面上の正則平面グラフ

 Kvが平面的であるならば,q=v−1,e=v(v−1)/2.

  f=2−2g+e−v=2−2g+v(v−1)/2−v

また,各面は少なくとも3つの辺をもたなければならないから,

  3(2−2g+v(v−1)/2−v)=3f≦2e=v(v−1)

 正則平面グラフであるためには

  3(2−2g+v(v−1)/2−v)=v(v−1)

  g=(v−3)(v−4)/12

 この方程式には解が無数にあるが,

  g=0 → K4

  g=1 → K7

  g=6 → K12

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【11】ヒーウッドの公式

[1]球面上のK4

[2]トーラス面上のK7

[3]種数6表面上のK12

は,ヒーウッドの公式「g個の穴があいているトーラス上の地図はどれも

  H(g)=[{7+√(1+48g)}/2]

色で塗り分けられる」に対応したものである.

  g=(v−3)(v−4)/12

  v^2−7v+12−12g=0

  v=[{7+√(1+48g)}/2]

 以下,

  g=11 → K15

  g=13 → K16

  g=20 → K19

  g=35 → K24

  g=46 → K27

  g=50 → K28

  g=63 → K31

  g=88 → K36

と続く.1+48g型の平方数は無数にあるのだろう.ともあれ,彩色数はオイラー標数とは別の表面の不変量なのである.

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