■射影幾何(その5)

【5】パスカルの円錐曲線定理の拡張

 オイラーの定理の重要な系がパスカルの拡張形定理「2つの3次曲線が9点で交わっているとき,9点中6点がひとつの2次曲線上にあれば,残りの3点は1直線上にある」です.

(証)円錐曲線上に6点を定める.3次曲線E1,E2がこれら6点を通るとき,E1,E2はさらに3点R,S,Tで交差するが,これらの交点は同一直線上にあることを証明してみます.交点は勝手な配置が許されるのではなく,拘束条件を満たすように配置されるのですが,この定理の場合,円錐曲線:Q(x,y)=0,E1:F(x,y)=0,E2=G(x,y)=0,R,Sを通る直線:L(x,y)=0とすると,

  G(x,y)=λF(x,y)+μQ(x,y)L(x,y)

の形で与えられることから,R,S,Tが直線上に並ぶことが証明されます.

 3次曲線E1,E2は一般に9個の交点をもちますから,パスカルの定理はこれより得られます.また,パップスの定理も3次曲線が直線に退化した特別な場合:(ax+by+c)(dx+ey+f)(gx+hy+i)=0とみなすことができます.

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