■射影幾何(その1)

3点あるいはそれ以上の点が一直線上にあることを主張する定理は共線定理と呼ばれます.たとえば,三角形の外心と重心と垂心はその順番に一直線上に並んでいて,外心と垂心を結ぶ線分が重心によって1:2に内分されています.この共線はオイラー線と呼ばれています.

射影幾何学とは,長さや角の大きさに無関係にいくつかの点がある直線上にあるといった関係,射影によって不変な図形の性質を研究する学問です.パスカルの有名な共線定理は射影幾何学の基本定理のひとつになっていますが,パスカルはこれをわずか17才の時に発見したのです.

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【1】パップスの定理

 通常,パップスの定理は次のような共線定理の形で述べられる.

 「直線上に3点A,B,C,もう一つの直線上に3点A’,B’,C’をとる.AB’とA’Bの交点をP,BC’とB’Cの交点をQ,AC’とA’Cの交点をRとするとき,P,Q,Rは同一直線上にある.」

 すなわち,2直線上にすべての頂点がのっている6角形の反対側の位置にある辺同士の交点は同一直線上にあるというのが,射影幾何学におけるパップスの定理である.

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