■代数幾何(その8)

【3】クンマーの定理

最初のブレークスルーは1851年,クンマーによってなされました.クンマーは円分体の整数論の研究に専念し,正則素数であるすべてのnに対してフェルマー予想が成立することを示したのです.正則素数pはBp-3 までのベルヌーイ数Bk の分子を割り切ることのできない素数として定義されていて,100以下の非正則素数は37,59,67ですべてですから,この3つの数以外では100までのnに対してフェルマー予想が正しいことが証明されたことになります.

クンマーの定理

フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,

  Bk=0   (mod p)

  0<k<1/2(p−3),B1=0,・・・,Bp-3=0

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