■代数幾何(その4)

【4】楕円曲線における根の公式

オイラーによる,楕円曲線:y^2=ax^3+bx^2+cx+dの解法を紹介しましょう.

 d=f^2とする.gを未知数として,ax^3+bx^2+cx+f^2=(gx+f)^2なる関係を考える.c=2fgになるようにgを定めれば,ax+b=g^2.したがって,

  x=(g^2−b)/a=(c^2−4bf^2)/4af^2

なる有理数解を得る.

 手品のようですが,幾何学的に考えると

  F(x,y)=y^2−ax^3−bx^2−cx−f^2

の点(0,f)における接線の方程式は−cx+2f(y−f)=0.ここで,c=2fgと定めるとy=gx+fになる.曲線は3次で,接点では2重に交わるから,第3の交点(有理点)が1つ決まるのです.

y^2=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e

では,e=f^2,d=2gf,c=g^2+2hfとおくと,ax^4+bx^3+cx^2+dx+f^2=(hx^2+gx+f)^2より,ax+b=h^2+2hg.したがって,

  x=(b−2hg)/(h^2−a)

なる解が得られます.

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