■関数方程式(その2)

【2】ラマヌジャンのクイズ

数式と戯れる喜びを知っていたラマヌジャンは,平方根が入れ子状に無限に続く

  √(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))

の値を求めよという問題をインド数学会誌に投稿している.しかし,この問題に対する読者からの解答は寄せられず,結局答えたのは出題者であるラマヌジャン本人であったとのことである.

 ラマヌジャンのクイズを一般化すると

  √(1+a√(1+(a+1)√(1+(a+2)√(1+・・・))))=?

の値はという問題であれば,

  f(x)=√(1+x√(1+(x+1)√(1+(x+2)√(1+・・・))))

とおくと,

  √(1+xf(x+1))=f(x)

  f(x)^2=1+xf(x+1)

 しかし,このような非線形関数等式の一般解を直接求めるのは困難である.そこで,f(1)=1,f(1)=2,・・・などとおいて周期性を調べてみる.するとf(1)=2とおいたときだけ周期性をもつ関数列となる.はじめの数項を計算すると

  f(1)=2,f(2)=3,f(3)=4,f(4)=5,f(5)=6,・・・,

 これより,すべてのxに対して

  f(x)=x+1

であることが推測できる.x=2ならば答えは3,x=10^45ならば答えは10^45+1となるというわけである.

なお,この関数等式を満たすひとつの解は

  f(x)=x+1

で与えられることはわかったが,他の解があるかどうかを調べ,f(x)=x+1がその唯一の解であることを証明する必要があるだろう.ともあれ,求める値はx=2→f(2)=3である.

  √(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=3

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