■無理数(その4)

【5】背理法を使った無理数性の証明

[1]3√2=2^1/3は無理数である

  3√2=p/q   (p,qは公約数をもたない)

と書けるとすると,

  p^3=2q^3 → pは偶数でなければならない

p=2kと書けるとすると,

  8k^3=2q^3 → 4k^3=q^3 → qは偶数でなければならない.

 p,qは公約数2をもつことになり矛盾.よって,3√2は無理数である.

[2]4√5=5^1/4は無理数である

 √5が無理数であることは既知とする.

  (4√5)^2=√5

より,もし4√5が有理数ならば,√5は有理数となるので矛盾.

 無理数の有理数倍,無理数の逆数は無理数であるから

  5^3/4=5/5^1/4 → 無理数

  5^5/4=5・5^1/4 → 無理数

[3]12√2は無理数である.

 12√2=p/qであると仮定する.

  12√2=p/q → p^12=2q^12 → 既約であることに反する

[4]1+√2は無理数である.

 √2は有理数であると仮定する.

  √2=p/q → 1+√2=(p+q)/qも有理数

[5]φ=(1+√5)/2は無理数である

 xは無理数,a,b,c,dは有理数とする.このとき

  y=(ax+b)/(cx+d)

は無理数である.なぜなら.yが有理数ならば

  x=(dy−b)/(a−cy)

は有理数となり矛盾が生じる.これよりφは無理数である.

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