■素数性判定(その4)

まずはおさらいから

===================================

【1】フェルマーの小定理

 素数pの倍数でない任意の数aを選ぶと,

  a^p-1=1  (modp)

が成り立つ.もし,この余りが1でなければ,最初に選んだpは素数ではないことになるというのがフェルマーの指数判定法である.この方法は素数であるための必要条件を効率的にチェックできるが,絶対的なものではなく,いくつかの合成数がパスしてしまう.

===================================

【2】カーマイケル数の特徴づけ

 どんな底に対しても

  a^p−a

がpで割り切れるとき,それがカーマイケル数である.

===================================

[Q]p1,p2,p3は素数で,

  p1=6n+1,p2=12n+1,p3=18n+1

このとき,p1p2p3はカーマイケル数であることを示せ.

[1]p1p2p3≠0  (modp1^2)

[2]p1p2p3≠0  (modp2^2)

[3]p1p2p3≠0  (modp3^2)

[4]p1p2p3=1  (mod6n)

[5]p1p2p3=1  (mod12n)

[6]p1p2p3=1  (mod18n)

であることがいえればよいことになる.

 p1p2p3=6・12・18n^3+(6・12+12・18+18・6)n^2+(6+12+18)n+1より,[4][5][6]→OK

 p1p2=6・12n^2+(6+12)n+1より[3]→OK

 p2p3=12・18n^2+(12+18)n+1より[1]→OK

 p3p1=18・6n^2+(18+6)n+1より[2]→OK

これらの条件は,n=1,6,35のとき満たされる.

 n=1:7・13・19はカーマイケル数である.

 n=6:37・73・109はカーマイケル数である.

 n=35:211・421・631はカーマイケル数である.

===================================