■整数の表現(その6)

【6】ガウスの定理

 ガウスは1796年の日記に「わかった! n=△+△+△」と書いていますが,それはすべての整数は3つの3角数の和によって表しうるという意味です.

ガウスの発見は8n+3の形をしたすべての整数を3つの奇数の平方の和として表せることを意味していて,3平方和定理「8n+7の形の素数は3つの平方数の和では表せない」を用いるとn=△+△+△を簡単に示すことができます.

(証明)

4^k(8n+7)でない奇数は3平方和で表せますから,任意の自然数nに対して8n+3=x2 +y2 +z2 と書けます.このとき,x=2o+1,y=2p+1,z=2q+1とおくとn=o(o+1)/2+p(p+1)/2+q(q+1)/2

===================================

【7】多角数和定理

 1から始まる等差数列の最初のn項を足すと,いろいろな多角数が得られます.

 

[1]1+1+1+1+1+・・・からは自然数1,2,3,4,5,・・・が得られる

[2]1+2+3+4+5+・・・からは三角数1,3,6,10,15,・・・が得られる

[3]1+3+5+7+11+・・・からは四角数1,4,9,16,25,・・・が得られる

[4]1+4+7+10+13+・・・からは五角数1,5,12,22,35,・・・が得られる

[5]1+5+9+13+17+・・・からは六角数1,6,15,28,45,・・・が得られる

 1/2・n・{2+(m−2)(n−1)}

の形の自然数をm角数といいます.三角数とはn(n+1)/2,四角数とはn^2 の形の自然数,すなわち平方数です.

「すべての自然数はたかだかm個のm角数で表せる」

というのが多角数定理ですが,m=3の場合がガウスの定理「n=△+△+△」,m=4の場合がラグランジュの定理「n=□+□+□+□」に相当します.

フェルマーが遺して後世を悩ましていたこの命題は,オイラー,ラグランジュ,ルジャンドルなどの研究を経て,1813年,コーシーが証明しセンセーションを巻き起こしました.

===================================