■コペルニクスの逆定理(その60)

2n+1個の尖点をもつ星状領域の面積Snが掛谷定数:(5−2√2)π/24に収束することを示します。

  Sn→(5−2√2)π/24<π/11

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【1】星状領域の面積

 ベシコビッチの論文がでた1927年以降も,単連結となる最小の星状領域はデルトイド(面積:π/8)であると信じられていました.ところが,これらより面積が小さい図形が考えだされました.

 デルトイドが3個の尖点をもっていることに着目すると,5個の尖点,7個の尖点,・・・をもつ図形を考えることができるのです.たとえば,2n+1個の尖点と円弧をもち,図形全体が内接している円に直交している星状領域(面積:Sn)を考えます.

 θ=π/(2n+1)として,中心が(r,d)の半径dの円弧では

 d=r(1+cosθ)/sinθ

と計算され,そして,半径rの円の直径上に長さ1の線分がおけるものとすると,

  √(x^2+y^2)=1−r

ですから

  x=(1−r)cosθ

  y=(1−r)sinθ

  S1=1/2r^2tanθ−1/2r^2θ

  S2=1/2(r−x)(d−rtanθ)

  S3=1/2d^2arctan(r−x)/(d−y)−S1−S2

として星状領域の面積は

  Sn=πr^2−2(2n+1)S3

 ここで,rは2次方程式

  (4+4cosθ)r^2−(4+4cosθ)r+1=0

の大きな方の実根として求められます.

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