■コペルニクスの逆定理(その32)

【1】掛谷の問題

 1917年,掛谷宗一は「長さが1である線分を1回転させるのに必要な最小面積の図形は何か」という問題を提出しました.

(凸図形の場合)

 (例1)線分ABをAの回り180°回転した半円:面積π/2

 (例2)ABを中点Oの回りに360°回転した円:面積π/4

 (例3)ルーローの三角形(正三角形の各頂点を中心として他の2頂点を通る円弧を描いてできる定幅図形):面積(π−√3)/2

 実は凸領域となる最小の領域は,高さが1の正三角形(面積√3/3)であることが藤原松三郎によって予想され,1921年,パルによって証明されています.

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 ボレリ、リュリエール「微積分のこころに触れる旅・掛谷の問題に導かれて」、日本評論社

には、ルーローの三角形を出発点として、3つの扇をもつ針の回転の可能なプロペラ型図形についての考察がある。

 それによると、最小面積を持つ図形は扇型の半径xが約0.3。面積S約0.5のプロペラ型図形である。

  x=(π-√3)/(2π-√3)=0.30971

  S=π(π-√3)/(4π-2√3)=0.48649

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 したがって、ルーローの三角形の形をしたプロペラ型図形の中心部を正三角形に置き換えることによって、面積は改良され、

  S=0.42217

ちなみにデルトイドの面積は

  S=0.39269

である。

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S=π/2・x^2+√3/4・(1-x)^2+3{π/6(1-x)^2-√3/4・(1-x)^2}

S=π/2・x^2-√3/2・(1-x)^2+π/2(1-x)^2

S'=π・x+(π-√3)・(1-x)=0

  x=(π-√3)/(2π-√3)=0.30971

  S=π(π-√3)/(4π-2√3)=0.48649

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