■コペルニクスの逆定理(その15)

 固定された大円(半径R)の内部に半径r(<R)の小円が入っているとする.小さい円(動円)が大きい円(定円)に内接し滑ることなく大きい円に沿って回転すると,動円上の定点はハイポサイクロイドを描く。

 ここで、主従を逆転させてみよう。

 大円(半径R)の内部に半径r(<R)の小円が入っているとする.大きい円(動円)が固定された小さい円(定円)に接しながら滑ることなく小さい円に沿って回転すると,動円上の定点はペリトロコイドを描く。 フラフープ曲線といったほうがイメージしやすいかもしれない。

 大円上のの2定点(直径の両端)あるいは正三角形をなす3定点の軌跡を同一にすることができる。たとえば、ロータリーエンジンでは軸が3回転するする間に、ローターが1周する機構を備えている。軸とローターの回転比が3倍になるようにr:R=2:3とするのである。

===================================

小円の中心を原点とする。大きい円の中心は半径R−rの円周上にあり、そこを公転しながら半径Rの円周上を自転する。

  a=R−r、b=R

また、滑らないという条件は

Rα=(R−r)β

と考えられる

【Q2】円周1の小円がある.この円を内接させながら円周mの大円が転がるとき,1周するまでに大円は何回転するか? また,外接しながら転がるときは何回転するか?

(A2)Q1において,小円(転円)が次第に大きくなり,大円(定円)の大きさを超えたとき,次のように定式化することができる.

  α:大円の中心の小円の中心に対する公転角

  β:大円の自転角

として,弧の長さを等しいとおけば

  α=m(α−β) → m=α/(α−β)

  β/α=(m−1)/m

すなわち,1−1/m回転.

これより、滑らないという条件は

Rβ=(R−r)α

と考えられる

また、小円の中心を原点とする。大きい円の中心は半径R−rの円周上にあり、そこを公転しながら半径Rの円周上を自転する。

  a=R−r、b=R

===================================

【1】トロコイド曲線の符号

 回転子が原点を中心とする円周上を公転角α(反時計回り)で動き,中心の周りを自転角β(反時計回り)で回転する場合,

  x0=acosα,y0=asinα

  [x]=[cosβ,−sinβ][b]+[x0]

  [y] [sinβ, cosβ][0]+[y0]

より

  x=acosα+bcosβ

  y=asinα+bsinβ

が得られます.

もし,回転子の位相がπずれているならば,β→β+πですから

  x=acosα+bcos(β+π)=acosα−bcosβ

  y=asinα+bsin(β+π)=asinα−bsinβ

このことはb→−bとしても同じです

 ペリトロコイドは

  x=(R−r)cosθ−Rcos((R−r)/Rθ)

  y=(R−r)sinθ−Rsin((R−r)/Rθ)

で与えられます.

===================================

 また,公転と自転の向きを逆方向にとる,すなわち,回転子が原点を中心とする円周上を公転角α(反時計回り)で動き,中心の周りを自転角β(時計回り)で回転する場合,

  x0=acosα,y0=asinα

  [x]=[cos(−β),−sin(−β)][b]+[x0]

  [y] [sin(−β), cos(−β)][0]+[y0]

より

  x=acosα+bcosβ

  y=asinα−bsinβ

もし,回転子の位相がπずれているならば,

  x=acosα−bcosβ

  y=asinα+bsinβ

 ペリトロコイドは

  x=(R−r)cosθ−Rcos((R−r)/Rθ)

  y=(R−r)sinθ+Rsin((R−r)/Rθ)

で与えられます.

===================================