■p進数体(その12)

【1】p進整数

 p進整数xをpのそれぞれのベキp^nについて、1個ずつ存在する互いに矛盾しない合同式

  x=an (mod p^n)

の形式的な解として定義する。

互いに矛盾しないとは、例えば、

x=1 (mod 3)

x=7 (mod 9)

x=-2 (mod 27)

のように共通の解x=25をもつことを意味する。

このように定義したp進整数同士

  x=an (mod p^n)

  x=bn (mod p^n)

は環をなす。すなわち

  x=an+bn (mod p^n)

  x=an-bn (mod p^n)

  x=anbn (mod p^n)

はp進整数である

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 x^2=-1を満たす5進整数も存在する。これを確かめるにはつぎのような数列{an}を考えればよい

  2,7,57,182,・・・

この数列の各項の平方は

  4,49,3249,33214,・・・

これらはそれぞれ5^1,5^2,5^3,5^4,・・・を法として-1に合同である。

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 一般に、分母がpで割り切れないような任意の有理数r/sについて

  x=an (mod p^n)

  sx=r (mod p^n)

が同値であるようなp進整数xが存在する。 また、

  x=an (mod p^n)

  x^2=k (mod p^n)

が同値であるようなp進整数xが存在する。

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