■ドローネー集合(その94)連分数の測度論(その11)

 商がaになる確率は

  log2(1+1/a)−log2(1+1/(a+1))

=log2(1+1/a(a+2))

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【2】ヒンチンの定理

 次にanの幾何平均値を求めてみます.1935年,ヒンチンは一般の連分数

  [a0:a1,a2,a3,・・・,an,・・・]

の大多数についてあてはまる法則を発見しています.

 ヒンチンの定理とは,幾何平均(a1a2・・・an)^1/nの値がn→∞のとき,ある無限乗積から定まる定数

  (a1a2・・・an)^1/n→Π(1+1/k(k+2))^logk/log2=2.685452001・・・

に収束するというものです.κ=2.68545・・・はヒンチンの定数として知られています.

 s=Σlogk・log2(1+1/k(k+2))

 k=10000まで加算したところ,

s=.982774,exp(s)=2.67186  (OK)

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また,近似分数の分母が

  (Bn)^1/n→exp(π^2/12log2)=3.27582・・・

になることを示しました.

 ただし,分母に明確なパターンのある代数的数やeをはじめとするいくつかの超越数は例外になります.

  (eの場合,(a1a2・・・an)^1/n→0.6259・・・)

 算術平均は発散するのに対し幾何平均は収束するというわけですが,ほとんどすべての連分数の場合,調和平均も収束し,その極限値は

  n/(1/a1+1/a2+・・・+1/an)→1.74540568・・・

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【3】レヴィの定数

 実数xのn項までの連分数展開pn/qnとする.ほとんどすべての実数に対して,

  (qn)^1/n→exp(π^2/12log2)=3.27582292・・

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