■双心n角形の楕円版(その3)

ポンスレーの不定命題とは、最後の点が最初の点とうまく一致するならば、最初の点をどこから始めたとしても接線多角形は閉じるというものである。

ポンスレーの不定命題の証明は楕円積分による。一方、シュタイナーの不定命題の証明は1次分数変換による。2つの定理は似て非なるものである。

ポンスレーの不定命題は2つの円を一方が他方の内部にあるような2つの楕円に置き換えても正しいはずである。n=3の最も簡単な場合について確かめてみたい。

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共焦点楕円を

x^2/a^2+y^2/b^2=1

x^2/c^2+y^2/d^2=1

共焦点を(f,0),(-f,0)とおく。

a^2-b^2=f^2

c^2-d^2=f^2

が成り立つ。a^2-c^2=b^2-d^2より、両者は交差しないことが分かる(一方が他方の内部にある)

x^2/a^2+y^2/(a^2+f^2)=1

x^2/c^2+y^2/(c^2+f^2)=1

内接・外接n角形をもつ楕円を具体的に求めることは、a,fを所与として、cを求める問題となる。

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最初の点を(a,0)、二番目の点を(c,root(a^2+f^2)(1-c^2/a^2))とし、これを結ぶ直線が接線となるように、cを定める。

接線を x0x/c^2+y0y/(c^2+f^2)=1とすると

x0a/c^2=1→x0=c^2/a

x0c/c^2+y0root(a^2+f^2)(1-c^2/a^2)/(c^2+f^2)=1

c/a+y0root(a^2+f^2)(1-c^2/a^2)/(c^2+f^2)=1

y0=(1-c/a)/root(a^2+f^2)(1-c^2/a^2)/(c^2+f^2)

(x0,y0)はx^2/c^2+y^2/(c^2+f^2)=1上の点であるから、

c^2/a^2+(1-c/a)^2/(a^2+f^2)(1-c^2/a^2)=1

c^2/a^2+(a-c)^2/(a^2+f^2)(a^2-c^2)=1

c^2(a^2+f^2)(a^2-c^2)+a^2(a-c)^2=a^2(a^2+f^2)(a^2-c^2)

これからc^2を求める。

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ポンスレーの不定命題は2つの円を一方が他方の内部にあるような2つの楕円に置き換えても正しいはずである。

最初の点を(0,root(a^2+f^2))、二番目の点を(a・root(1-(c^2+f^2)/(a^2+f^2),root(c^2+f^2))とすることができることになる。

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