■周期的四面体らせん構造(その78)

 BCH(Boerdijk-Coxeter helix)は、正四面体がねじれながららせん状に連なった図形である。

 Boerdijkはこのらせんの頂点に同じ大きさの球を配置した円筒内球充填の問題を考察している 。この構造では局所的には最も効率よく最密充填構造を作ることができるが、大域的な空間充填率は50.7%と意外に低値である。

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 高次元らせん構造体の応用

染色体は複雑な多重らせん構造(supercoil)を作っている。そのような対象の場合、高次元のBCHを応用してその構造を構築することが期待できる。

円筒内において超球が占める比率を計算するとn=4であれば23.7%であるが、n=5のときは8.96%に下落し、n=7になると1%未満となる。

不思議なことに超球の体積はn→∞のとき0に収束するのである(高次元のparadox)。

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 Γ(1/2)=π^1/2

 Γ(2/2)=1

 Γ(3/2)=1/2・π^1/2

 Γ(4/2)=1

 Γ(5/2)=3/2・1/2・π^1/2

 Γ(6/2)=2

 Γ(7/2)=5/2・3/2・1/2・π^1/2

 Γ(8/2)=6

 Γ(9/2)=7/2・5/2・3/2・1/2・π^1/2

 Γ(10/2)=24

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