■周長積分(その4)

 

 ところで,

  ∫1/(1-x^2)^(1/2)dx

は円,

  ∫1/(1-x^4)^(1/2)dx

はレムニスケートに対応していましたが,周長が

  ∫1/(1-x^3)^(1/2)dx

  ∫1/(1-r^3)^(1/2)dx

で表される曲線はどのようなものになるでしょうか?

 

 この円と双葉の中間に位置する幾何学的対象物は,微分方程式

  (1+(dy/dx)^2)^(1/2)=1/(1-x^3)^(1/2)

  dy/dx=(x^3/(1-x^3))^(1/2)

あるいは

  {1+(rdθ/dr)^2}^(1/2)=1/(1-r^3)^(1/2)

  dθ/dr=(r/(1-r^3))^(1/2)

を満たさなければなりません.

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 直交座標より極座標を考える方が自然と思えるので,極座標の方で示しますが,r^3=tとおいて微分方程式を解くと,不完全ベータ関数

  θ=1/3∫t^(-1/2)(1-t)^(1/2)dt

が得られます.しかし,これでは正体がつかめません.そこで,試行錯誤的に求めてみることにしました.

 

 まず,候補にあげられたのが

  r=cos(aθ)  (正葉曲線,バラ曲線)

です.この曲線では,a=1のとき,

  1+(rdθ/dr)^2=1/(1-r^2)

となります.

 

 これまでの結果から,

  r=cosθのとき,1+(rdθ/dr)^2=1/(1-r^2)

  r^2=cos2θのとき,1+(rdθ/dr)^2=1/(1-r^4)

がわかったわけですから,求める曲線は

  r^(3/2)=cos(3/2θ)

に違いありません.計算してみると,確かに

  1+(rdθ/dr)^2=1/(1-r^3)

が得られました.

 

 大ざっぱにプロットしてみたところでは,三つ葉型曲線の半分になるのですが,r^(3/2)=cos(3/2θ)がどのような曲線になるのか,各自が実際に描いてみることをお勧めします.また,この曲線が直交座標でどのように書けるか,直してみるのも面白いかもしれません.

 

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