■ポリトープを巡る人々(その3)

 ヒントンが(その2)で述べた立方体セットを義妹のアリシア・ブール・ストットに紹介したところ、彼女は直観的に4次元を把握できる幾何学者になった。

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 ストット夫人はその旧姓ブールからの推察されるとおり、父親はブール代数の祖である数学者・論理学者のジョージ・ブールの三女で,母親は世界一高い山の名前元となったジョージ・エベレストの姪で,自らも独学の数学者であったメアリー・エベレスト・ブールである.

 もっとも、父のブールは彼女が4歳の時に肺炎で突然亡くなりましたが、幼時から図形に対する異常な直観力を持ち、得意であったという。独学で4次元図形の研究を進め、偶然のことからスカウトの論文を知り、ついには彼と共同研究をするまでに発展した。

 晩年にはイギリスの数学者仲間のうちではかなりよく知られた学者おばさんになったようで、彼女の作った模型はいまでもケンブリッジに保管されていると伝えられている。

 ポリトープとは超多面体(高次元の多面体)のことである.この言葉を作ったのはドイツの数学者ホッペであるが,イギリスに紹介したのはアリシア・ブール・ストットである.

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