■正方形の正方形分割問題(その1)

 「方積問題」とは正方形をすべて異なる大きさの正方形で敷き詰める問題のことですが,この問題はどのようにすれば解けるのでしょうか? 敷き詰める正方形の大きさと配置の候補があまりにも多すぎて,あらゆる可能性を試すことさえ不可能に感じられます.

 長方形の正方形分割に対して,正方形を相異なる正方形に分割することは非常に難しい問題であって,一時は不可能であるとさえ考えられていたようです.

 長い間,正方形を有限個の異なる大きさの正方形に分割する問題の解は知られて居ませんでした.何か系統だった方法が必要になるのですが,実はうまい方法がわかっていて,それは電気回路の理論を使うものです.

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 1940年,ブルックス,スミス,ストーン,テュッテは正方形に正方形を敷き詰める系統だった手法を確立させました.

 その方法(スミス・ネットワーク)はデーンの定理を電気回路とみなしてキルヒホッフの法則とオームの法則に帰着させて鮮やかに証明したものでした.この方法を用いて,ブルックスは正方形に69枚の正方形を敷き詰める配置を発表し,さらに検討を加えて正方形の数を26枚(1辺608)に減らしました.

 1951年,ウィルコックスは位数24,1辺175のものを発見しました.これもその中に完全長方形が含まれていましたが,それでもこれ以上位数の少ない完全正方形は存在しないだろうと予想されていました.

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 1962年,デゥイヴェスチジンは正方形に正方形を敷き詰めるのに少なくても21枚の正方形が必要なことを証明し,1978年までに</P>

 50,29,33,25,4,37,35,15,9,16,2,7,17,18,42,11,6,27,8,24,19</P>

の21個の正方形からなる単純(分断線ができないこと)かつ完全(分割を構成する正方形がすべて異なる大きさであること)な正方形分割が最小かつ唯一(他には存在しない)のものであることを証明しました.

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